漏電してないのに漏電遮断器が切れる理由は‥??
今朝はかなり短い記事になります(笑)
お客様から 「電気使うと漏電ブレーカがすぐ切れるから早く直して欲しい」
そんな緊急のお電話を頂きまして、現地へと急行しました
症状を聞くと漏電の症状っぽいのですが、
今までの経験から 『 漏電遮断器の予備を持っていけ 』 と
頭の中で誰かがささやく
急行する前に作業場へ移動し、
在庫してある遮断器をおもむろに掴んでGO
現地で問題が発生していると思われる漏電遮断器を目視‥
あからさまに古いなぁ
まずはメガオームテスターにて漏電がないかを確認‥
やっぱり想像した通り、絶縁状況はすこぶる良好
そこにお客様がみえて、しばし症状の詳しい確認をヒアリングしました。
① 照明をつけると10秒くらいで遮断器が落ちる。
② 今までも何度か同じ症状があった。
③ 建物を建ててから設備更新はしていない。
こうなってくるとますます漏電遮断器の寿命が疑わしい
設備内では改修工事を行っているために、
電気が使えないとまったくもって作業できない状況‥
持ってきた漏電遮断器を設置して‥再度通電
絶縁状況も再度確認するも問題なし
どれだけ時間経過しても遮断器が落ちることは無くなりました
この設備を立ててからおおよそ30年というお話で、
外した漏電遮断器の製造年月日を確認すると‥
おぉ‥1991年製造、、つまり30年前の物と言う事です
漏電していないのに漏電遮断器が落ちるという事例は
今までも何件かありまして、
一番漏電で切れるのがもっと多い症状で、
二番目に多いのが、片側だけに電気が偏ってしまって
電流のバランスがくるって切れるという症状。
それぞれの相には流せる電流があり、それを超えることで遮断器が落ちる。
つまり切れて遮断されます。
例えば 赤-白相 に 10A(アンペア) 流れていて、
黒-白 相に 26A(アンペア) 流れていても漏電遮断器は切れません。
極端な話をすると、赤-白相が 0A(アンペア) 状態でも、
黒-白相に 30~32A(アンペア) が流れることで切れてしまいます。
これがバランスの悪いという状態なのです
そして三番目に多いのがこの漏電遮断器の経年劣化、
つまり器機自体の寿命です。
住宅でも以前同じ症状が出てかなり調査しましたが、
結論が機器寿命でした
分電盤はまだ使えるから再利用して!
という配線改修時の申し出もお客様からもよく頂きます。
ですが、電気を管理する中枢の設備が劣化していることにより
安全に電気を使えなくなると言う事も知っておいてください。
今回は漏電遮断器の更新によって問題は取り除くことができましたが、
その他の設備もそれだけの時間が経過していると言う事もお忘れなく
あと、余談になりますが
漏電遮断器は外部からの電波や高調波の影響を受けることがあります。
例えば電源の入ったトランシーバーや
古い電子レンジから漏れ出る電波など。
想像もしないところで影響を受けることもあるのです
目に見えない電気、だからこそ症状の特定も難しい‥
電気設備は正しく安全に使いましょう
この度のご用命、誠にありがとうございました