2019年01月10日
エアコン暖房が止まる故障? いえ、環境に問題が(汗)
旧年中にお客様から頂いた物件のお話です。
僕の方の仕事が立て込んでおりまして、受けさせて頂いた現場工事、
エアコンの取替依頼を別の業者様にご依頼していました

そして、数日前の夕方近く、お客様から緊急のお電話

「A室のエアコンが全然温まらなくて、冷たい空気しか出ないんです!」
どうにもこうにも暖房が全然効かず、クレームが多いのだとか

まぢかー

取り換えたばかりの新品エアコン‥
エアコンにも本当に時々ですが初期不良の物もあります

だが 「故障ですね。」 と一概には決めつけられない‥
「取り付けた業者さんに来てもらえませんか?」 とのご依頼。
僕が施工した現場ではないですが、受けた僕にも責任があります。
最初に自分が確認してみる。 とお話させていただき通話は終了。
周囲はすでに暗くなってしまいましたが、急いでその物件に走ります

現場へ向かう前に情報を整理します。
同建物の3階には機種の違う 『ズバ暖霧ヶ峰』 が設置済み。
室外機は1.5畳程度の狭い空間に2台設置されているという状況です。
ベランダにはサッシがあり、それを閉め切ってしまえば誤動作が起きます。
それはなぜか?
エアコンを暖房運転した場合、室外機は熱交換のために
冷えた空気を屋外に吐き出す仕組みです。
暖房の場合はその逆で、外に温風が出る機構

室外機は徐々に氷結していくため 『霜とかし運転』 が必要になります。
屋外ならば気温変動は少なく霜とかし運転も効くことでしょう。
ただし、1.5畳の空間に室外機が2台あり、
さらに暖房運転を窓が締め切られた状態で行われれば
室外機のある空間の温度は外気よりも低くなっていくのです

当然ながら熱交換の効率も悪くなり、さらに空間が冷えすぎているため
霜とかし運転も全く追いつかないという悪循環が生まれます‥
現場到着して急いで早速状況を確認します。
あー‥やはり

窓が片側 10cm づつしか開いていませんでした

ベランダに出て霜の着いた状況を確認‥どうやらすべて溶けたご様子。
融け出た水がベランダで再び氷結しています

「なぜこんな場所に設置したの?」
そのようなご意見もあることでしょう

実はもともとこの場所には通常機種のエアコン室外機がありまして、
それを暖房に強いエアコンとそっくりそのまま交換した。
そんな状況の現場になります。
予算の都合、街中の場所の都合という面がありまして、
室外機の架台も設置位置も既存を利用してコストを落としました。
もちろんお客様も立ち合いの上で確認と了承済みです

以前にもエラーが出たらしく、そのエラーコードを調べてみると
『室外機の前に物が置かれていないか』 を確認との記載が

つまり、締め切った空間で室外機を回すと
『ショートサーキュレーション』 が発生して効率がガタ落ちになる‥
冷えた空気で熱交換しようとしているという状態になります。
どんな状態になるか検証するため、
エアコンを暖房運転にしてベランダへ

そっと窓を閉めてその場で待機‥
ただえさえ寒いベランダに室外機からの容赦ない冷風

うー‥どんどん空間が冷えていきます



さっ、寒すぎるっ

すぐに片側の窓を全開

はぁぁ‥冬の外気の方が暖かい気がするのは気のせいじゃないよ‥


これは故障ではないと判断できたため、お客様にすぐにお電話

お伝えした問題点は3つです

① 室外機と壁との間が狭すぎるという点
② 窓が全開になっていなかったという点
③ 霜とかしの最中に電源が切られていたっぽいという点
暖房が止まってもエアコンを途中で停止させないでほしい理由。
それは霜とかし運転の最中かもしれないからです

いくら暖房に強いエアコンでも、想定以上の冷えには勝てません

温風を停止して能力を霜とかしに振り分けることもあります。
この時に 「暖房出ないじゃん!」 と電源を切ると
霜が付いたまま次回の再起動となってしまい、霜とかし運転からの
起動となり、再び温風が出ない‥
という、だれしも故障を疑いたくなる動作になってしまうんですよ

最初は症状に納得されていなかったお客様ですが、
状況を説明して改善策をお話して一応の解決となりました。
ただし、100%の解決策ではないため、再び同じことが起こりえる。
そんな状況の室外機の設置状況。
街中なので室外機を置く場所もなく、
ベランダに室外機を点というケースは少なくありません。
この建物では最初に設置された業者さんもこれが最良の策だった‥
僕もそう考えてしまいます。
寒冷地専用エアコンだといっても、その能力を過信してはいけません

室外機にも設置するときの基準がありますので、
その通りに施工できない場合には能力が発揮できないことがあります。
皆様も、エアコン設置の際には、その能力を十分発揮できるように
設置業者さんに依頼をお願いしてくださいね

************
***
池田電工へのお問い合わせ方法は以下の通りです。
電話 0577-34-2633 (繋がりにくい場合があります)
FAX 0577-34-2829
携帯 090-1096-1567 (直通で僕が出ます)
Mail
ikedadenkou@gmail.com
※すぐにお返事できない場合があります、ご了承ください。
お気軽にお問い合わせください

(融資・車輌買取等の電話・FAXはご遠慮願います。)
スポンサーリンク