2016年04月16日
トランサー2台復活！ 投げたさじを投げ返してやったぞ！
「このトランス、ずっと使えてたんだけど急に異音が鳴るようになって‥。」
そんな相談を受けたのが数日前。
電圧を落としたり、電圧を上げたりする機器 『トランサー』 について
なんとかならないかと大工さんから相談を受けました。
2台とも電圧が出ないとか、異音がしてまともに使えないということらしいです
「もし直ったら、1台あげるよ。」
まぢすか
2台直すと1台が報酬として頂けるらしい
どうやら使えなくなってからずいぶん経つそうで、
メーカーに修理を依頼したらしいのですが、
修理不能ということで帰ってきたそうです
むむむ‥
ハードルがちょっと高そうですが、トランスが傷んでいなければなんとかなるはず。
メーカーがさじを投げたこのトランサー達、直してやろうじゃないですか
とりあえず 『T-32』 の方からいじくってみたいと思います。
むーん‥本当に修理しようと試みたのか
内部にはホコリがびっしりこびり付き、いじってあるようには見えませぬ
細いブラシとエアーブロア―、そんでもって掃除機もひっぱり出してきて
まずは掃除から開始します。
今はホコリも内部機器も乾いているようですが、
ホコリが湿気を持つと電流がリーク（漏洩）してしまい、
正常な動作を妨げることもあります。
整備の基本は掃除から
これでどうだ
一旦バラバラにして、隙間という隙間のホコリを除去してあげました
スイッチの動作点検、配線の固定状況も確認。
けっこうな使用頻度だったのか、いろんな場所が緩んでましたよ
バラした部品を組み直し、あとは特に問題はなさそうなのでさっそく試験です
機器正面の印可電圧切替を単相の 200V（ボルト） に設定。
電圧 200V（ボルト） で変圧できているか確認しました。
最初はコンセントに出力される電圧の設定を 105V（ボルト） 側に設定。
出力されている電圧は 106.9V（ボルト） を確認できました
正常ですね
異音や異臭もありません。
次はコンセントに出力される電圧の設定を 115V（ボルト） 側に設定して試験。
さてどうかな？
出力されている電圧は 117.9V（ボルト） を確認できました
こちらも正常ですね
しばらくそのまま様子を見ましたが変化もなし。
どうやら直ってしまったようです
メーカーが投げたさじを投げ返してやりました
歪んだフレームも直して 『RYOBI T-32』 の修理は無事完了です。
さーて、お次は兄弟分の 『T-31』 に取り掛かりますよ
こちらもずいぶんとホコリまみれですなぁ‥
裏からホコリが溢れだしてるよぉ
何度か修理を試みたのでしょうか？
ネジがみんなバラバラの違うものでカバーが固定されています
さあ内部の様子はどうかな？
‥開けてビックリ。
「ぎゃーん、ひどすぎる！」
こちらも先ほどと同様に内部にはホコリがびっしり
こびり付き感が半端じゃないな
これってさ、、絶対修理を試みてないだろ
型も古いし、メーカーじゃなくて修理屋か機械屋に依頼したのではなかろうか？
補修部品がなくなると修理は不可になるし、
ホームセンター品は絶対修理してもらえないのが一般的です。
通電ランプも破損しているし、見た目だけで修理が無理そうな感じ？
？いや、あきらめるのはまだ早いぞ
ランプなんかいくらでも替えがきくし、まずは掃除してから考えよう。
再びエアーブロア―とブラシを活用しつつ、らちまちま掃除を開始。
どうだ、きれいになっただろう
このT-31くん、いろんな場所が破損してました。
通電ランプはもとより、コンセントプラグ内部もネジがと端子が緩んでます
先ほどと同じくバラバラにした部品を組み直し、
電線もかなりヨレてくたびれていたので取り替えです
電線同士をよじった部分はハンダで固定。
これで悪くなっている部分はほぼ修理完了です
機器正面の印可電圧切替を単相の 200V（ボルト） に設定。
電圧 200V（ボルト） で変圧できているか確認しました。
最初はコンセントに出力される電圧の設定を 105V（ボルト） 側に設定。
どうかな？
出力されている電圧は 107V（ボルト） を確認できました
よっしゃ、正常ですぞ
こちらもT-32同様に異音や異臭はありません。
次はコンセントに出力される電圧の設定を 115V（ボルト） 側に設定して試験。
さて‥どうですか？
出力されている電圧は 117.9V（ボルト） を確認できました
こちらもまったくもって正常ですね
しばらくそのまま放置して様子を見ましたが問題なし
どうやら2台とも直ってしまったようです
T-32が普段から使っている物だということで、報酬としてT-31を頂けることに
前から欲しかったトランサー、まさか頂けるとは幸せです
T-32を大工さんに届け、再び工房へ。
通電ランプを取り換えます
中古品のランプが転がっていたので、加工して取付も完了
さっきお届けしたT-32の黄色いカバー。
なんだか無性にかっこよく見えたので、T-31くんも黄色くなってもらいました
電圧変動が多くて困っているとおっしゃっていたお客様がいますので、
これを持って行きテストしてみたいと思います
今は三相動力のプラグを取り付けてありますが、
電源電圧が 100V（ボルト） の環境でも使用することができます。
プラグを 100V のものに変え、
前部パネルの切替スイッチを 100V側 にすることで使用が可能になります
電圧はこれを使うことで安定してくれれば、
そのお客様にもトランサーをお薦めしてあげる事ができます。
頂いた機種は性能良いトランサーなので、連続使用が可能です
安い機種は連続動作が数時間までと制約があるので大助かり
『RYOBI T-31』 は今後活躍してくれそうです
ご用命ありがとうございました
時々掃除してあげてくださいね。
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